羽根車
羽根車は、原動機の出力を受けて羽根車を通過する流体に対して、圧力および速度の形でエネルギーを与えるものです。羽根車の形は、様々な基本形状に分類されます。
軸受
軸受は軸心に対し直角に作用するラジアル荷重と、羽根車などにより発生する軸方向のスラスト荷重を支持して、主軸を円滑に回転させるものです。軸受は大きく分けて転がり軸受と滑り軸受に分類されます。
ケーシング
ケーシングは、内部に羽根車を収容し、羽根車の流体通路を形成するものです。通路は流体を整流するだけではなく、羽根車から流出した水の速度エネルギーを圧力エネルギーに回収する目的があります。この回収率がポンプの性能に大きく影響します。
軸封装置
軸封装置とはポンプ軸がケーシングを貫通する箇所に設けられ、ケーシングの内部と外部とを遮断し、内部液の漏洩や外部からの空気または液体の浸入を防ぐものである。
ポンプの軸封部には、グランドパッキン、メカニカルシール、ラビリンスシール、セグメントシール等を用いる方法があり、ポンプの用途、軸封部に作用する圧力の状態、経済性及び保守管理面から選定される。
グランドパッキン
グランドパッキンによる方法は最も一般的な方法で、軸の外周部にパッキンをつめ、パッキン押さえにてパッキンを締め込む形式である。
- 長所
- 1)取扱いが簡単で安価、入手が容易である
- 2)使用中に漏水量が増加しても増し締めによって調整が
できる。
- 短所
- 1)軸あるいは軸スリーブを摩耗させる。
- 2)定期的な交換が必要。
メカニカルシール
摺動面の摩耗に追従してスプリングなどによって軸方向に動くことの出来る摺動環と動かない摺動環で構成されている。ラッピング仕上げされた摺動環の面が互いに接触し、相対的に回転する面によって流体の漏れを最小限に制限する装置である。
- 長所
- 1)漏洩を極少にできる。
- 2)グランドパッキンに比較して摩耗抵抗は非常に小さ
い。 - 3)軸が摩耗しない。
- 4)軸の長さを短縮できる。
- 短所
- 1)円筒端面は精密な仕上げが必要とされる。
- 2)取り付けは正確にする必要がある。
- 3)定期的な分解点検、取替えを要する。
- 4)高価、入手に時間がかかる。
ラビリンスシール
非接触形の軸封装置で狭い隙間と広い空間を交互に作った流路形状をしている。この空間を流体が通るときの抵抗を大きくして漏れ量の低減をはかる装置である。
- 長所
- 1)漏れ調整の必要がない。
- 2)維持管理が容易である。
- 3)非接触シールのため比較的長寿命である。
- 短所
- 1)取替え時にカップリング及び軸受の分解が必要であ
る。
その他の軸封装置
ある程度の漏洩をさせながら軸封を行うセグメントシールやスロットルブッシュを用いる事もあるが、グランドパッキンやメカニカルシールでは対応できない使用条件や保守上の都合によって採用するものである。
主軸
主軸は軸受により支持されて羽根車を所定の位置に固定し、原動機の出力を軸継手などを介して羽根車に伝達するものです。主軸は液質・用途により、軸表面の防食防止やグランドパッキン・水中軸受による摺動部の損傷を防ぐために、スリーブなどで保護する場合もあります。